文化遺産防災における人材育成:ポストコロナの挑戦と創生
概要
未曾有の健康被害と世界的混乱を引き起こしたCOVID-19(コロナ)のパンデミックは、バイオハザードによる災害の管理方法について再考させるものです。このパンデミックは、人々の生命や生活に大きな影響を与えるだけでなく、不動産と動産、あるいは有形と無形の文化遺産の領域にも大きな影響を及ぼしています。このことからまず、生物的な危険による文化遺産への脆弱性や危機を軽減し、地域の能力を向上させることを考える必要があります。もう一方では、この危機を乗り越え、そこから脱するために、対応と復旧のあり方を再構築する必要があります。災害危機評価と文化遺産管理のあらゆる側面においても、このパンデミックの教訓を今後活かす必要性があることのは明らかです。ポスト・コロナの時代に向けて、この大流行から学んだ教訓を活かし、既存の知識やスキルを調整し、知識分野やトピック、対象者、教育方法の面で生じるギャップを特定しながら、埋めていくことによって、文化遺産の災害危機管理に関する能力開発をどのように継続すべきかを再考する時期が来ています。
立命館大学ユネスコ・チェア「文化遺産と危機管理」国際研修(ITC)は、今年度、世界的な新型コロナウィルス感染拡大により中止となりましたが、その代替プロジェクトの第一歩として、ウェビナーシリーズ「文化遺産防災における人材育成:ポストコロナの挑戦と創生」(Webinar Series: Capacity Building for Disaster Risk Management of Cultural Heritage: Challenges and Opportunities in Post-COVID Times)を、文化財保存修復研究国際センター(ICCROM)と共同で開催いたしました。2020年6月27日(土)には、ウェビナー1:「ポストコロナにおける減災と予防の再考」(Webinar 1: Rethinking disaster mitigation and preparedness)を実施し、7月4日(土)には、ウェビナー2:「ポストコロナにおける災害対応と復興の再考」(Webinar 2: Rethinking disaster response and recovery)を行いました。
ウェビナー1:「ポストコロナにおける減災と予防の再考」
ウェビナー2:「ポストコロナにおける災害対応と復興の再考」