立命館大学 歴史都市防災研究所・ICCROM(文化財保存修復研究国際センター)共催
UNESCO・ICOM(国際博物館会議)・ICOMOS/ICORP(国際記念物遺跡会議防災学術委員会) 協力
日程
オンライン 2023年8月14日(月)~9月1日(金)15:00~17:30(日本時間)
毎週2回(月・木曜日)各回150分ほどの講義、
金曜日はメンターセッション(個別ケーススタディの相談)
オンサイト 2023年9月11日(月)~9月24日(日)9:00~18:00(日本時間)
シンポジウム 2023年9月24日(日)
背景と目的:
「文化遺産と危機管理」に関する国際研修は、2005年1月に兵庫県神戸市にて開催された国連防災世界会議(UN-WCDR)主催「文化遺産の危機管理に関する特別テーマ会合」で採択された提言を受けて実施するものです。その中で、有形・無形の文化遺産を危機管理に取り入れ、科学的研究・教育・訓練プログラムを開発する必要性が提唱されました。世界遺産委員会の第30回会合(リトアニア共和国ヴィリニュス、2006年7月)では、世界遺産における防災文化を構築するために、知識・技術革新・教育を強化することの重要性が改めて指摘されました。今年に至るまで、72ヶ国より総勢180名の専門家が、本研修を受講しています。
本研修での主な目的は、文化遺産の危機管理における様々な側面について、理論的かつ実践的な知識を提供することです。
詳細につきましては、下記のURLをご参照ください(リンク先:英語)。
https://rdmuch-itc.com/itc/
本年度(ITC 2023)のサブテーマ:
無形文化遺産の保護と活用による文化遺産の災害リスク管理
近年、日本発の無形文化遺産(ICH)「日本における木造建築の保存および継承のための伝統的技術・技能・知識」が2020年の人類の無形文化遺産の代表リストに登録されました。これは、伝統的な木工技術、伝統的建造物の装飾、伝統的建造物の修復技術など17種類の技術を通じて、有形文化遺産の持続可能性に向けたICHの価値と貢献を取り上げた素晴らしい事例であり、様々な自然災害や人為的災害による災害から文化遺産を修復し保護するための重要な技術です。また、無形文化遺産は、コミュニティの物理的・心理社会的支援の手段であり、長い時間をかけて蓄積された伝統的知識の源として、災害復興に重要な役割を果たすと認識されています。
そこで、今年のITCでは、災害リスクマネジメントにおける無形文化遺産の保護と活用に焦点を当てます。日本は、頻繁に発生する様々な災害に見舞われ、文化資源に多大な被害をもたらしています。また、被害経験が多いことから、災害リスクマネジメントに貢献できる豊富な伝統的知識が蓄積されています。これらの伝統的知識や伝統的な技術、技能に基づき、文化遺産の災害軽減、災害への備え、緊急対応、災害後の復興など災害危機管理の各フェーズに特化した対策が実施されています。本研修では、受講生は日本をはじめ、世界各地の地理的、気候的、社会的な特徴に応じて開発された上記の対策について学んだ上で、各国の対象地における災害危機管理計画を提案します。
研修の進め方
今年の国際研修はオンラインと対面での講義を含むハイブリッド形式で行われます。研修期間中は、国内外の専門家によるテーマ別の講義、ワークショップ、現地視察、フィールドワークが行われます。
1)オンライン研修は3週間にわたって実施されます。毎週、2回のオンライン・ライブ・セッションと、研修生のケーススタディ・プロジェクトに対するメンタリング・セッションが1回ずつ行われます。
2)対面研修は2週間にわたって実施され、現場視察と実地演習が中心となります。
3)研修生は、それぞれの国から文化遺産や施設を1つ選び、研修期間中に災害リスク管理計画を作成し、研修の最後に発表をしてもらいます。
募集対象者:
世界遺産の保全や危機管理に携わる専門家(最大15名)を、世界各国より選定します。
使用言語
英語
旅費・宿泊費・生活費
京都までの往復の交通費は参加者の負担となります。期間中、京都での滞在費および生活費として、2週間で最低15万円必要です。候補者は、政府機関、雇用主、資金提供団体などから経済的支援を求めることが強く推奨されます。経済的な必要性が証明された場合、また研修開始時に外部資金の利用可否に応じて、一部の研修生へ奨学金が支給される場合があります。
コース修了者に与えられる特典
- コース修了証書
- ITC2023報告書への論文掲載
本研修のプロジェクトで作成された危機管理プランに基づいて、ITC2023報告書に、論文が掲載されます。 - ウェブサイトへのポスター掲載
本研修のプロジェクトで作成された危機管理のプランに基づいて、立命館大学 歴史都市防災研究所・ICCROMのウェブサイトに、ポスターが掲載されます。
募集に関する必須事項
募集締め切り
2023年4月21日に延長
連絡先
これまでのコースについて
過去年度の国際研修コースについての詳細は、ウェブサイトをご覧ください。